2007年10月

30日(火)   「ダウン」

背中が突っ張るように痛み始めて数日。
まだ痛みは取れません。
おまけに、相方が風邪をひき始め、同じようなタイミングでこちらにも回ってきました。
喉の違和感と咳き込み程度ですが、
ダブルノックダウンといきそうな雰囲気です。

昼間のこと。
体がだるいと相方は寝床に就いたまま。
早々に目の覚めていた私は、ひとりPCをいじっていました。
そこに、スピーカーを通したでかい声が聞こえてきました。
パンの巡回販売車です。
それも、「おいしい学校」の車。
反射的に窓の外を確認した私は、慌てて部屋着から外に出られる格好へと着替えました。
さぁいくかというときに、相方も飛び出してきました。
寝ている場合ではなかった模様(苦笑)。
「いくぞっ」
かたや怪我人、かたや病人の二人。
体を引きずりながら車に駆け寄っていきました。
今まで巡回車なんて来たことがなかったのですが、
近所にある機械部品の製造工場に卸しにいく途中、
たまたま「時間があった」ので止まったのだそうです。
「おいしい学校」といえば給食ランチで有名になりましたが、
パンの味も好評。
生地にも甘みがあり、我々の好きなパンの一つでもあります。
どれもおいしそうで、あれこれと手にしたくなるのですが、
大量に購入しても、食べ切れなければ意味がない。
毎週火曜日にはやってくるそうなので、
数種類にとどめて、次の機会の楽しみにすることにしました。

ここで暮らしていく楽しみが、一つ増えましたよ♪


28日(日)   「やっと」

腰が痛いです。
普通に痛いです。
これで、やっと、今まで患部が麻痺して痛んだということが分かりました。
だって、事故の衝撃を受けた割には楽だと思っていましたもん。
昨日体を緩めて頂き、やっと動き始めたんだなと実感します。
あぁ、いてぇ。

今朝、南アルプスが冠雪しているのを見ました。
いよいよだなぁ。
で、15時30分頃、南の空が綺麗だったので目を向けてみたら、



富士山もずいぶん雪化粧をしてました。
もう冬だなぁ。
一年、あっという間ですな。


27日(土)   「あ〜眠い」

八ヶ岳南麓の紅葉も、だいぶ進んできたようですね。
とはいっても、実際に見たわけではなく、地元ニュースからの情報ですが・・・・・・(^^;

本日3時頃、相方の運転で整体を受けに出発しました。
台風を伴っての出発ということで、しょっぱなから雨でしたが、
行程に影響はさしてなく、とりあえず問題なく神奈川入りしました。
談合坂から運転を交替し、私「ヘルニ男」がステアリングを握っていました。
多少腰に響くものの、道を知らない相方に頼むのは酷と言うもの。
また、助手席でナビゲートをするだけでは、
私が落ちてしまう可能性もある。
それで、踏ん張ったわけです。

7時頃には目的地周辺についていたので、ファミレスで朝食をとり、
時間をつぶしてから整体へ。
先生に診て頂いた直後から体が動き始めたので、
回復は早そうです。

さて。
今回、ものの見事に台風にぶち当たりましたから、
道中、台風20号の状況をラジオで聞いていました。
なんでも時速100Kmで北上していたとか。

車かよっ!

速すぎるだろ。
しかも秋雨前線を刺激してくれているためか、
雨がひっきりなしに降っているんですね。
風も時折かなり強く吹いて、何度となく傘を飛ばされそうになりました。

で、帰り道。
通行止めになるのが怖かったので、15時頃にはそそくさと出発したんです。
街中は私が運転し、途中で相方に交代。
国道16号を抜けて、橋本から相模湖へと進路を変えました。
その途中、津久井湖近辺を走っているとき、
結構な強風が吹いていて、周囲の木々を揺らし始めました。
歩いているおじさんの傘が酷いことになっています。
傘をさして自転車に乗っている人も、えらい勢いで風に弄ばれております。
「あ〜あ、傘ボロボロだよ」
と呟いた次の瞬間です。
目の前をなにかが転がっていく。

・・・・・・。
傘?

ビニール部分が風にもぎ取られ、道路の上を転がっていくじゃありませんか。
てことは・・・・・・。
我々は、急いで自転車の人に視線を向けました。



分かりにくいと思います。
咄嗟のことでうまく撮影できませんでした。

この方の傘、骨だけです。

自転車にしがみつき、傘を差している。
しかし、その傘は骨だけ。
なんの役にも立たない。それでもその姿勢は崩せない。
いや、もの悲しいやらおかしいやら。
多分、風が強すぎて、ハンドルから手を離すこともできなかったのでしょう。
正面を見据えたまま、苦笑いしているのが見えました。
やがて、その方は骨だけの傘を差したまま、目の前のコンビニに入っていきました。

いいモン見たわ〜(笑)。


23日(火)   「まだまだ」

紅葉もいい頃合になってきました。
そろそろ新そばも出始める頃でしょう。
ちらっと乗鞍高原の紅葉の具合をWEBで見たら、
まぁまぁ見られるようになって来ました。
いかなければ! ヘルニアを我慢してでも!(笑)

ま、それはれとして、年に二度は乗鞍を訪れる我々。
その交通費を考えたら、「ETCの方がいいかもね」と相方。
道路状況なども考えて、いつも7時には出発しているので、
中央道はちょうど通勤割引が該当する時間帯。
まぁ、いつかは元も取れるだろう。
てなわけで、実物を見に出かけてみたんですね。
近所の黄色い帽子屋さんです。
11月から年末にかけてって、ETCの取り付け依頼が多いんだそうです。
だから、今ならお得ってキャンペーンをやってまして。
相方即決。
その場で取り付けだもの。
こっちがびっくりした。

で、その行きの運転を、試しにしてみました。
そしたら、あなた、ダメね。
シフトがうまくつながらず、必ず軽くノックする。
2から3、3から4でもよ。挙句、4から5でも車が悶えるのよ。
タイミングが合わない。
愕然としました。
腰には違和感があるし、助手席の相方は爆笑しているし。
その後、スーパーで買い物をしましたが、
やっぱり普通に歩けない。

まだまだですな。


22日(月)   「ヘルニ男」

先日受診したMRIの結果が出ました。
「椎間板ヘルニア(急性増悪)」
とのこと。
元々爆弾を抱えていたみたいで、今回の事故でそれが悪化したという見解。
まぁ、レントゲンのあれを見ていますから、そうだろうなとは思っていました(苦笑)。
相方からは「ヘルニ男」という称号も頂きまして。
ありがたくないっての。

車の修理費は44万越えだそうで。
ま、保険代で賄えたので、そちらはOK。
あとは休業期間の保障ですな。
過失割合については、
相手方も、右も見ないで出てきておいて、ずいぶんとごねていたようではありますが、
とりあえず8:2で落ち着きそうです。
ガツンと言ってやってもよかったのですが、
まぁ、結果が出るまで長引くよりはいいかなと。

一安心とはいうものの、仕事ができなければ収入もなくなるわけで。
なんとかせんとねぇ。


21日(日)   「遠出」

相方がエンジンオイルの交換に甲府まで出るというので、
車に乗れるかどうかを検証すべく、同乗しました。
走り始めて数分、やはり腰に違和感を覚えます。
やがて、わずかに足に痺れを感じ始めました。
それでも、まぁまぁなんとかいけるかなと思っていたのですが、
いざディーラーに着き、作業を待つことになったら、
まぁ、これが、あなた。
じっとしていられないのですわ。
広めの店内で、喫茶コーナーとして展示車の脇にテーブルと椅子が数セットあるのです。
そこに腰掛けていても、数分と同じ姿勢をしていられない。
基本は前かがみ。腰の位置を何度も微調整。
前かがみがつらくなって、姿勢を正すのですが、
今度は体重が腰に乗るのがつらい。
その繰り返し。
最終的には、座っているより立っている方が楽になり、
店内をうろうろ歩き回っていました。

昼食をとってから買い物にとショッピングモールへ。
ここでもじっとしているのがつらいんですね。
うろうろうろうろ。
そして、次第に歩幅が狭くなっていく。
買い物用のカートに体を預けながら、じわじわうろうろ。
だからもう、帰りの車は悲惨ですわ。
助手席であっち向いたりこっち向いたり、腰の位置をずらしたり戻したりの繰り返し。
運転中に気が散っただろうに。
ごめんよぉ。
もうね、ズボンのベルトが腰に乗っているのもしんどいんです。
帰ってきて部屋着に着替えて、やっと落ち着きましたね。
ただ、これを書いている21時半。
やはり左後ろ側が重く、大きく背もたれに体を預けています。
まだまだ車は厳しいや。

それと、しみじみ実感。
車に乗っていて、まだ左側が怖い。
左から顔を出した車を、じっと見てしまう。
本当ならチラッと見ただけで前方に注意を戻さなければならないのに。
分かっていてもダメですね。
条件反射は怖いや。
こんなんで、社会復帰できるんだろうか・・・・・・。


20日(土)   「散歩」

すっきり晴れたお昼過ぎ。
腰の調子もよさそうだったので、
リハビリを兼ねて、カメラ片手に散歩にいってきました。
最近運動をしていないので、下っ腹に力を入れて、ゆっくりと歩きます。
様子を見ながら歩いていましたが、
しばらくたっても腰には響かない。
しかし、カメラバックが腰に当たると鈍い痛みが走ります。
車に乗って調子がおかしくなるのは、多分これなんでしょうね。
それに、やはり歩き方がおかしいのが分かります。
今までより左右に体が揺れる気がするんです。
それに、右足が前に出て行かずに歩幅が狭い。
う〜ん。

近所にある川辺の公園で、しばらく川の音を聞いていました。
いやぁ、川の流れの音って、いいですねぇ。
本当にボーッとして川を眺めていました。
そのうちに、ジュジュッという鳴き声。
セキレイたちです。
しかも、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイとそろい踏み。
加えて、アオサギとモズ。
カワラヒワらしい声も聞いたのですが、姿を確認できませんでした。

鳥の写真撮ったけど・・・・・・ブレとるなぁ。


19日(金)   「結局見た」

いやいや、死にそうでした。
昼までは、なんてことなかったんです。
それを過ぎ、太陽がわずかに西に傾きかけた頃から頭痛が襲ってきました。
でも、まだ大丈夫。
ちょっとPCいじりすぎたかな、くらいでした。
しかし、頭痛は消えない。
やがて、薄暗くなってくる頃にはじんわりと締め付けられる痛みになっていました。
なにをするのもしんどいので横になっていましたが、
相方が昼の仕事から帰ってきても、身動きが取れません。
そのままうとうと。
やがて、動き出し、相方が作ってくれていた焼きそばを食べると、
今度は吐き気が来るんですね。
いや、ほんとに久々。こんな吐き気だなんて。
結局、夕方から夜にかけてはほとんど死んでいましたね。

さて、本題。
実は、あまりに引きこもっている私を見るに見かねたのか、
相方がDVDを借りてきてくれました。
『UDON』。
そう、あの『UDON』です。
さぬきうどんをここまで描いた作品なんて、まずないでしょう。
フィクションではあるものの、実在の店と実在のスタッフも出演していますので、
(一部、応対はあんなに丁寧じゃなかった気もしますが ^^;)
ドキュメンタリーにも見えてきます。
打ちたての麺、だし、生醤油、てんぷら、薬味・・・・・・見ているだけで、あの感覚が蘇ります。
ストーリーは、もうね、これだけドラマが出尽くしていると、
転調の部分からどう流れるのかは想像がつきますから、
さほど目新しくはない。これは仕方ない。
とにかく、映像の作り方が楽しい。
若干、『2○』を意識したんじゃないかという気もしてしまいますが、
手法としてはありでしょう。
面白かったから。
この映画は、巨費を投じ、贅沢なキャストをそろえたCMですな。
だって、見たら絶対に食べたくなるもの。

ただ、これは、行ってから見るものかなという気がします。
さぬきうどんを現地で経験したことがある人間だからこそ、
この映画は理解できるんじゃないかなと。
そうじゃないと、ただうどんを羅列しただけという印象で終わるかもしれない。
そんな気がします。

あぁ、うどん食いてぇ。


17日(水)   「久しぶりに星を見た」

今朝未明、相方が、
所属するフォトクラブの旅行(合宿?)に参加するので、
バタバタと出て行きました。
そのときに「晴れてんじゃん!」と騒いでいたので、
眠気の飛んでしまった私も、少ししてから空を見上げました。
したら、冬の星座が勢ぞろいしているじゃないですか。
いやぁ、久しぶりに星を見ました。
あまり寝付けずに、明け方5時前くらいにもう一回空を見たら、
今度は東にあっかるい星がいる。
金星ですな。
いやいや、見事。
体はしんどいですが、ちょっといい時間でした。

リハビリを兼ねて、夕方前に買い物に出かけました。
相方がいないので、
なにか簡単に口にできるものを見繕うのと、
帰ってきた日の夕食のためです。
で、食材を色々見て回っていましたが・・・・・・。
ウチにいるときには、
「オイオイ、これで欠勤はズル休みじゃないの?」
と我がことながら思うくらいだったのですが、
買い物カゴを下げて歩いていると、はっきり分かるんですね、足が上がらないのが。
二本足で歩くことがこれほどつらいことなのかと、
しみじみ感じてしまいました。
ものすごく小股でしか歩けないし、背筋はつっぱったかのように鈍く痛むし、
調子の悪い膝は、余計に負担がかかってシクシク痛むし。
帰りの車も、気分がよくない。
どう座っても、どこか痛いんですね。
いやいや、この調子なら、様子を見ながら明日は会社かと思っていただけに、
現実の厳しさを思い知らされました。
だって、歩けないし、ずっと座ってられないし。
何でも屋にならなければならないあの職場では、
ただのバイトより使えないおっちゃんです。
こりゃ、だめだな。


15日(月)   「軽く寝た」

一昨日、昨日と天気が悪かったせいか、患部を含む下半身の痛みが増し、
仕方なく、相方とともに、今日病院にいってきました。
前回混んでて受けられなかった近所の病院。
やっぱり混んではいましたが、先にレントゲンを済ませてしまえば早いもので、
すぐに呼ばれました。
布袋様のような先生の診察を受けたところ、
骨盤は綺麗なものだと。
問題は腰椎。
まず椎間板が「へたって」いて、腰椎自体も変形しているとのコト。
ただ、昨日今日のものではないだろうと言われました。
そう言われて思い出すのが、
小学6年の大掃除で尾てい骨を痛打したときのこと。
そのあと、しばらく足が震えてしまい、身動きが取れなかったのです。
もしやアレか?
いや、それ以外に思い当たるものがない。
多分あれだ。

で、その変形がもたらす影響を見るにはレントゲンでは無理とのことで、
初MRI。
説明書きには血管に溶液を注射することもあるとあり、ぶるっと震えました。
注射が怖いのではなく、体に異物を入れるのが気持ち悪いんですね。
ちょっとビビりながら、重い扉の部屋に通されました。
狭い待合所に小さなソファと、脱衣かご。
目の前にはシェルターの入り口のような扉。
強い磁場を発生させているので、金属類は厳禁とのこと。
技師の方から検査着を受け取り、着替えてから、
重い金属製の扉の向こうに入りました。
でかい機材。
見た目は、テレビでよく見るCTと同じ。
ベッドに寝かされて、細い筒の中に入れられるやつ。
「工事現場みたいな音がするけど我慢して下さい」
と言われました。我慢かよ(苦笑)。
Uの字の枕に頭を収めると、耳元に分厚いコースターのようなパッドを入れてくれました。
手にはナースコールを握らされ、注射がないと分かってホッとしながら、いよいよ進入です。
中は軽く風が流れているんですね。
薄着でいるもんですから、かなり寒い。
これで30〜40分。
音よりもそちらに耐えられるかが心配でした。
やがて、ベッドの裏を叩くような音が始まり、強烈なモーター音のようなものがしました。
パッドで防げる程度のものではない、結構でかい音です。
磁力線を出しているのでしょうか、震動と音が伝わってきます。
一度終わり、また違う音。
目をつぶってそれを聞いていましたが、
グオングオングオングオン・・・・・・という音が、
なぜか「タオルタオルタオル」と聞こえてきてしまいまして。
そう思うと、タオルとしか聞こえない。
少しして、ちょっと高い音がし始めたのですが、それもなにかの言葉に聞こえてくる。
かなり速いテンポで「ヘッコヘッコヘッコヘッコ・・・・・・」。
そしたら、もうおかしいんですね。笑えてくる。
MRIにかかって、音でクスクス笑ったのは私が初めてじゃないでしょうか。
やがて、そんな音に耳を傾けているうちに、全身が痺れてきました。
うつらうつらしてきているのが分かります。
音は聞こえているし、震動もある。
でも、まどろんでいる感覚。
なので、音が止まり、「終わりです」といわれて、
ベッドが焼かれたピザのように引き出されたとき、
「もう30分経ったんですか?」
と訊いてしまいました。

廊下に出ると、暇だったんでしょう、
相方が動物園の熊のようにウロウロしていました。
MRIの感想を伝えると、
「日記のネタだね」
と。
あぁ、そうともさ。


さて、まったく関係ない話。
香川の最終日、スーパーに寄ったことを書きましたが、
そのときに、耳について離れない曲がありました。
商品のディスプレーで、ラジカセでかけていたんですが、
「バナナの王様 バナナの王様 バナナの王様『甘熟お〜』♪」
というもの。
ご存知の方もいらっしゃるかな。

http://www.kanjukuoh.com/

「CM Gallery」の中に「SONG」というものがあります。
聞いてみて下さい、ぶっ飛びますから。
これがスーパーで流れているわけです。
印象にも残るわ。
歌っているのは、あの「王様」。懐かしいですね。

今まで見かけたことはなかったのですが、
先日近所のスーパーで陳列されているのを発見。
曲はかかっていませんでしたが、迷うことなく購入しました(笑)。
おいしかったですよ。


13日(土)   「カンティフェア」

今日と明日は、キープ協会で「ポール・ラッシュ祭 八ヶ岳カンティフェア」が行われています。
この地に来て6年。
一度も訪れたことがありません。
なんでかって?
土日だからです。
仕事ですから、行けません。

で、今ふと、「あぁ、休みだからいけるじゃん」と思ったんですね。
思ってから、どうやっていくのさと現実に戻りました。
腰が痛くて、5分の運転がやっとだというのに。
一度くらいはその風景を見て、情報収集をしておこうと思っているんですけどね。
ま、今回は無理だわ。
相方に連れて行ってもらったとしても、
現場でもたないもの。


12日(金)   「スゲェ混んでた」

相方が出勤するのを見送って、私も病院へと向かいました。
車を運転するのはちょっと怖かったのですが、
それもリハビリです。
先日診断書を出して頂いたところは韮崎なのでちょっと遠いため、
近所の市立病院にしました。
遠方だと、多分運転が続けられないと思ったんです。
で、出かけたはいいんですが、
やはりある程度走ったところで腰に軽い痛みが走り、
わずか5分だというのに、軽い頭痛と吐き気を覚えました。
いやいや、結構重症やん。

駐車場も結構混んでる。
中に入ると、またこれが混んでる。
インフルエンザのときに世話になった病院でして、
改装をしてさほど時間がたっていないので、
ポップな感じで結構綺麗な病院なのですが、
その中にジジババばっか。
しかも、整形外科のところに、呆れるほどズラッといらっしゃる。
嫌な予感を覚えつつ、受付に診察券を出すと、
「時間がかかると思いますけど」
とオズオズと切り出されました。

なんと11人待ち。

予約の人もいるから、それ以上でしょう。
とてもとても。
もうその時点でギブアップ。
待ち続けられませんもの。
すごすごと退散しました。

この場合の交通費は請求できないんだろうなぁ。


11日(木)   「うららか」

陽射しが気持ちいいですな。
もぐら生活な私を溶かしてくれそうなくらい。
散歩してみたいと思いますが、歩けない現実を思い知らされます。
昨日まで大丈夫だった姿勢が取れないんですね。
痛みをかばうために負担がかかり、痛みを感じる場所も増えてきますし。
サルかジーサマか、そんな歩き方をしています。

なんかね、色々書こうかと思いましたが、まとまらないですね。
なので、今日はこの辺で。
まだお昼前ですから、もしかしたら継ぎ足すかもしれませんけどね。

あぁ、体がいてぇ。
会社に治療していないと思われるのも癪だから、
病院にでもいってみようかな。


10日(水)   「日々しんどいですな」

事故から2日。
腰の痛みは引くこともなく、
逆に、少しずつ全身にかかっていた負担を思い知り始めました。
また、腰をかばうためか、ふくらはぎにも痛みを感じています。
いやいや、すっかりケガ人(苦笑)。
とはいえ、3月のようにインフルエンザではありませんから、
頭ははっきりしているし、なにもできないわけではない。
ただただ、普通に歩けない、運転できないというだけ。
つまり、会社にいけない、いっても役立たずという状態。
で、することもないから、PCをいじっていると、
「元気そうだね、会社行けば?」
と相方に睨まれる。
なんだか、すっかり憧れのニート生活(^^;

しかし、いつになったらシャバに出られるんだろう。
こうなったら在宅でできる仕事を探すか。
そんなことを思い始めてきました。


9日(火)   「めっこり」

相方にお願いして車に乗せてもらい、代車を借りにいってきました。
そのときに、改めて愛車を確認。



めっこり。
でもね、ガラスは全然割れていないの。
前回の自損のときもそうだったけど、
窓は無傷なのよね。
奇跡。

車の運転や、デスクワークなどは厳しいですね。
同じ姿勢でい続けることが難しい。
普通に歩けないし。
どうしても腰を置いてくる歩き方になってしまう。
こんなの、ホテルマンじゃねぇ(笑)。
今、体のあちこちに痛みが出てきていますが、
とりあえずはコイツをうまく経過させないとね。
しんどいもの。
場合によったら、長期休職で実家に帰った方がいいかもしれんなぁ。
整体も、自力では限界があるもの。
実家なら先生に診てもらえるしねぇ。
ちょっと考え中。


8日(月)   「とりあえず生きてます」

このところ急激に気温が下がり、
相方も体調不良。
軽い風邪とアレルギー性の鼻炎に悩まされ、
昼食(朝食)をとった後、布団にもぐりこみました。
それを見ながら、ちょっと支度に手間取りながらも、
ネクタイを締めてウチを出発。
軽い雨の中、水溜りに気をつけながら会社への道を急いでいました。

ウチを出てだいたい10分くらい走ると、
大泉から清里へ抜ける道に、裏道から合流する交差点に出ます。
きっちりと一時停止をして、左右を見渡せるところまで少しずつ前に出る。
正面から来ていたトラックも、同じようにじわじわと出てくる。
ウィンカーは出していませんから、直進してくるのでしょう。
しかし、左右から車は来ていないのに、トラックがなかなか前に出てこない。
オイ、アンタが出なきゃ、こっちも出られねぇよ。
たまにいますね、こういう人。
自分の車の出足が遅いからと譲ってくれる人。
でもね、それはあなたの思い込みであって、こちらには伝わらないのよ。
出ようとしたときに突っ込まれたら、こちらがただのバカ。
交通法規上、そちらの方が優先なんだから。
なので、こちらはすぐに出る気がないということをアピールするため、
わざと長く左右を確認していました。
すると、納得したのか諦めたのか、トラックがようやく道を横断してきました。
次は私の番。
本線を左から走ってくる車が見えていましたが、まだ余裕があったので、
トラックの後ろを掠めるようにして右折。
軽くアクセルを開けて無事に本線に合流しました。
ミラーを確認すると、後ろの車も軽く減速したのでしょう、車間が少し空きました。
さて、道は長い直線のあと、左に大きくカーブを切ります。
以前の「清里高原有料道路」の料金所があった場所。
中村農場さんをの目の前に差し掛かります。
さすが連休の最終日、「おぉ混んでるなぁ」と思って見ていたら、
一台の車がするすると駐車場を出てきました。
右折をしたいようで、しきりに、自分が合流する車線、つまり左ばかり見ています。
こちらには顔を向けないのが、はっきりと見えています。
・・・・・・嫌な予感。
私の後ろには車が来ています。
対向車もいます。
しかし、左からの車はこちらを見ない。
一瞬ブレーキをかけるべきかと思いましたが、止まれるはずがない。
相手が出てきたとき、その横っ面に突き刺さるのが分かりました。
相手のドライバーはよくて骨折でしょう。
そこに後続が突っ込んでくる感覚までありました。
だったら!
ハンドルを持っていかれないように・・・被害を広げないように、それだけを思って衝撃に備えました。
うまくいけば相手が気づき、無事に抜けられるかも知れない、そう思いながら。

しかし。

左からの、「がしゃん」という音。
ショックで押し出された車体は、そのまま対向車線の向こう側にある待避所へ抜けました。
そこでストップ。
すぐにエンジンも止めました。
車を降りて、場所を確認。
左フロントのタイヤハウスに相手方のナンバープレートが引っかかっていました。
前のドアは完全に凹み、
後ろのドアは、凹みこそ少ないものの、簡単には閉じなくなりました。
左フロントタイヤは、若干下に広がったハの字。

やっちまった。

先方がJAFを呼び、私が警察を呼んで事情聴取。
相方は、電話を入れたら化粧もせずにすっ飛んできました。
「風邪なん、どっかいっちゃったよ」
と苦笑いしています。
車は積載車で冬にお世話になった工場へ。
一年の間に二度もお世話になるとは思わなかった(苦笑)。
その後、私は相方の車で病院へ。
腰椎捻挫、全治10日。
身構える余裕があった分、軽傷で済んだようです。
診断書を警察に持っていき、本日の手続き終了。
あとは先方や保険会社と連絡を取って、そちらで話が進むことになるのでしょう。

とりあえず腰が痛いのと頭痛が少々。
今は背中に引きつるような鈍さがあります。
でも、なまじ元気なもんだから、相方相手に喋る喋る。
駄洒落だことの軽口だことの、マシンガントーク炸裂。
思わず自分に「黙れ」と言ってしまったくらい。
喋ってないとやってられないのかもしれません。
寝てりゃいいのに、午前4時に布団を抜け出して、こんなのを書いているのもそうでしょう。
吐き出したいんだねぇ、きっと。

今後、容態は若干変わるかもしれませんが、
命に別状はなさそう。
ま、とりあえず生きてます。

ちなみに、事故直後、実家に電話をしたら、
「気をつけないとあっち側にいっちゃうよ」
と言われましたが、話の流れで考えても、それが「どこ」なのか分からず、
「それって、三途の川の向こう側ってことかい?」
と訊いたら爆笑されました。
違ったようです。


7日(日)   「驚いた」

先日の香川旅行のときの写真をプリントしてきました。
う〜ん、写真屋さん、腕落ちた?
なんか赤みが強かったり、まるで昭和30年代の撮影したかのように褪色したふうだったり、
いまいちの仕上がりでしたぞ。
合計120枚。
撮影したのは全部で200枚を超えてましたけど、
データとしてはともかく、
プリントするのはちょっとというものもありましたから。
相方や私の、「CMくるんじゃねぇの?」的な食いっぷりの写真もあります(笑)。
これをどうやって整理しようか、それが目下の悩みです。


6日(土)   「寒いねぇ」

帰りの車の中、寒かったですなぁ。
指先が少し痛いんですもの。
清里8度、アパートの近所で11度。
寒いですわ。

本日職場で婚礼がありました。
そこで演奏をしたフルート奏者を小淵沢駅まで送っていったのですが、
その方たちは、なんと広島から来たとのこと。
だもんだから、清里が「寒い」。
だって、今日の最高気温、多分20度くらいだもの。
広島は今日29度だって。
そりゃ、寒くも感じるって。

その方たちが言いました。
「広島なんて、場所分からないですよねぇ」
私はにやっとして、
「いえいえ、先日実は香川に行ってきたばかりですし、修学旅行で広島にも行っていますから、
 ちゃんと分かっていますよ」
すると、そう言われたことが嬉しいらしく、妙に喜んでおられました。
道中、咲いているコスモスに感激し、広島ではまだ朝顔が咲いていると笑う。
そういえば、香川でもまだ朝顔でしたねと応える。
それだけで笑いが起きる。
ずいぶんと和やかな30分でした。

広島って、そんなにマイナーな土地ではないですよね。
平和記念公園(原爆ドーム)、お好み焼き、紅葉まんじゅう、厳島神社、広島東洋カープ・・・・・・。
まぁまぁメジャーどころが揃っています。
山梨の方がよっぽどマイナー(笑)。
清里は長野だと思われているし、富士山は静岡だと思われている。
となると、残るは「風林火山」と「ほうとう」しかない。
でも、西日本の方に訴えるには、力不足ですわな。
関東の人間でさえ、清里は長野だと思っていますから。
ま、これは絶対に旅行雑誌がいけない。
「信州・清里」って並べるから。
清里に「信州そば」なんてあるから、余計にいけない。
ここは「甲州」。
「山梨県北杜市高根町清里」ですよ。
そこんとこヨロシク!

(あぁ、昭和の匂いがする・・・・・・)


5日(金)   「さぬきうどん遍路3」

10月2日、最終日。
今日が帰る日。そう思うと寂しい。
しかし、ベッドが比較的よかったので、寝覚めは悪くない。
9時過ぎにスタート。
最初に向かうのは、「彦江製麺所」。
香川に来る前から、ここだけは絶対に行っておきたいと思っていた店だ。
「彦江」に行くなら、気をつけてほしい。
ナビが指し示す場所には、車では入れない。
60mほど離れたところに駐車場があり、そこから細い路地を歩くのだ。
角を曲がれば



ここに出る。
ちょうど、うどんをどこかに納めに行くところだったのだろう。
軽のワゴンに麺を積み込んでいるところだった。
中に入ると、おばちゃんがうどんをゆでている。
積んである丼を片手にオーダーをすれば、丼にうどんを入れてくれる。
だしは冷たい方が足元のでかい鍋に、熱い方がサーバー(と呼んでいいのだろうか)に入っていた。
我々は「ひやあつ」にし(うどんが冷たく、ダシが熱い)、てんぷらを乗せて奥のカウンター席に着いた。



左が相方、かきあげ。右が私、揚げとゲソ。
ゲソの大きさを見よ!
かきあげも、食べてみて驚く。
桜海老ではない。プリップリのエビが入っているのだ。
とにかくボリュームが凄い。これはどの店も共通。
しかも朝一で比較的揚げたてに近いから、うまい。
いや、本当にうまい。
うどんもだしも好み。彦江万歳。
食べたものを最後に申告して精算。

精算方法は店によって異なるので注意が必要。
基本的には、店の人が金額を言うタイミングがあるので、
それに合わせればOK。
うどんを受け取ってもなにも言われなければ、その店は後払いと思って間違いないだろう。

さて、「彦江」で大満足の我々。
次の店も決めなければならないが、帰りのスケジュールも少し気にする必要がある。
飛行機が出るのが15時40分。
レンタカーを返すのが14時30分。
残り4時間程度。あまり遠出はできない。
ならば!
リベンジ!
そう、キング・オブ・さぬきうどんへのリベンジである。
「『山越』っ」
目的地をナビに叩き込んだ。

ナビの誘導で、目的地に近づく。
なんとなく車内に漂う緊張感。
しかし、歩いている人の姿がやけに目に付くことでホッとする。
どいつもこいつも、みな「山越」の駐車場から出てくるのだ。



本当に普通の路地にある、一見なにかの工場のよう。
しかし、中にはカウンターを作り、てんぷらもいろいろなものを置いている。
手狭ではあるが、多少店の体裁を作っている。
昼時には長い行列ができるようだが、数人がいただけでスムーズに中に入れた。
ゲソやかきあげなど、どこの店にもあるてんぷらの中に、
初めて「鳥串」というものを発見。
多分、素揚げした鶏肉であろう。うまそう。
しかし、それ以上に目を奪うものがあった。しかも、二つ。
迷うことなく、それを皿にとった。そこで精算。そのまま奥に進む。
店内になるかと思いきや、ベンチがそこかしこに置いてある。
テーブルもあるが、とにかくベンチ。
座れればうどんは食える、そういうことだ。
造りから考えるに、
元々は敷地だっただけのところで、ただただベンチを置いていたのだろう。
しかし、道は狭いし、人目も気になる。
いや、ご近所が気にする。
雨が降ると悲惨なことになる。
そこで、ベンチを囲うように屋根をつけて広げていった、そんな感じだ。
我々が腰掛けた場所は、表札のかかっている引き戸の前。
「あぁ、だから『山越』なのね」
と納得。
見るからに、玄関である。
さて。



これがキングの風格!
かまたま!
かけているのはダシではなく、醤油仕立てのタレ。
ただそれだけなのに、このうまさはなんだ。
これでうどん9杯目の私だが、それでも恍惚としてしまう。
うまい。
右にあるのは、半熟卵のてんぷらと、じゃがいものてんぷら。
卵も驚きだったが、私はじゃがいもにやられた。
じゃがバターのようなホクホクしたものを想像していた。
しかし、中はしっとりとし、しかもダシの味が染みている。
うまいんだわ、これが。
相方がリベンジを果たそうとしたわけが、舌で実感できた。
その奥に進むと土産コーナーがある。
茶店のようにしつらえられたベンチの間を縫って進めば、
そこで「山越」のうどんが買える。
ご自宅でもうどんをどうぞ、ということだ。

一つリベンジを果たした我々。
となると、もう一つリベンジをしなければ気が済まない。
待ってろ、「谷川米穀店」!

ナビの誘導で、昨日来た道を辿る。
そして、昨日と違う風景を見る。
車が並んでいる、人が並んでいる。
営業してる!
たまたま目の前で開いたスペースに車をねじ込み、
人の列に並んだ。



ここもとにかく忙しそうだ。
「宮武」と同じように、ブツは撮れなかった。
とにかくこの写真で感じてほしい。
ここはダシはない。
ぶっかけのみ。
それも、テーブルの上にあるのは醤油と酢。
味を好みで調節しながら啜るのだ。
かけすぎると厳しいので、少しずつかけることをお勧めする。
もう一つ、この店の特徴がある。
安さ。
うどん1杯、105円。破格だ。
ガソリン1リットルより安い。ペットボトルの水より安い。
その安さとうまさが、こんなバランスでいいのか。
素晴らしい。

2泊3日で9軒。私は10杯のうどんを頂いた。
しかし、面白いものだ、
「しばらくうどんはいらない」
とは思わない。
また食いたいと思う。
なんなら、今すぐにでも香川に飛びたい、そういう気分だ。
香川で思いつくものは、「さぬきうどんと、こんぴらさんくらいかな」という印象だった。
まさにそうなのだ。
そして、それでいいのだ。
それくらいに、さぬきうどんは素晴らしい食文化なのだ。そう断言してしまおう。
それと、もう一つ、和菓子がうまい。
お土産品ではない。
ぽつんとある、なんの変哲もなさそうな和菓子屋だ。
空港へ向かう道すがらで、ここにも立ち寄った。



「藤井商店」。
魔神藤村が「鳥坂まんじゅう」とともに看板に「甘気」を感じたという店。
初日にも見かけていたのだが、休みだったので通過をしていた店。
お土産屋ではない。本当に、手作りの店。
誰もいない狭い店内、ショーケースの上に、それぞれあんこときなこの団子が1パックずつ、
ケースの中に、手のひらに収まるくらいの大福のような餅が6つほど入ったパッケージ2つ。
「6個は多いよねぇ」
と呟いていると、別のお客が入ってきた。同時に中からおばちゃんも出てきた。
お客に場所を譲り、諦めようとしたのだが、
その、地元らしい人が
「早く来ないとなくなっちゃうね。また来るわ」
と言って出て行くのを見て、考えを改める。
今の言葉は、この店のうまさを物語るもの、逃す手はない。
しかし、腹が膨れていて食えないのも事実。
すると、なにかを見抜いたのか、おばちゃんが、
「どれかひとつでもいいよ」
と救いの手を差し伸べてくれた。
ありがたや!
パッケージの中は色とりどり。
普通のものもあれば、キビを練り込んだ黄色いもの、ゴマのようなものもある。
少し考えて、普通のものと、ブルーベリーを購入した。



これがそれ。
普通のもうまかった。
「もう入らない」と溜め息をついていた相方がパクついたくらいだ。
そして、ブルーベリー。面白そうだからと、ネタのつもりで買ったヤツだ。
これは帰ってきてから食べたのだが、
うまかった。本当に。
ただ色が着いているだけではない。
ちゃんとブルーベリーが練り込まれていて、甘酸っぱさが広がるのだ。
お見事!
そして、このうまさを看板だけで感じ取った魔神、やはり恐るべし。
国道32号線を、琴平から高松へ向かっていれば、左手にど〜んと「田舎もち」の看板が見える。
そこを左に折れれば藤井商店だ。
売切れ次第終了なので要注意。

うどんの旅はこれで終了した。
しかし、時間はまだある。
実はもうひとつ気になっていたものがある。
「さぬきうどんアイスクリーム」。
これが「道の駅 滝宮」にあるというので、することもないからと立ち寄った。
草刈だろうか、作業服を着たおじさまたちが、あちこちで仕事をしている。
それを尻目に建物に近づく。
・・・・・・ん?
シルクスクリーンが下りている。
その奥の薄暗い建物の中に、女子中学生だろうか、二人ほど携帯で写真を撮り合っている姿がある。
ベンチに腰掛けて・・・・・・あ〜あ、足はちゃんと閉じなさいよ。
みっともない。
まぁ、それはそれとして。
なんで薄暗いのかと思いながら扉に近づくと、
「休館日 第1・3火曜日」
の文字。
道の駅に定休日?
初めて聞いた。
がっかり。
結局時間もつぶせずに車を走らせることにした。

ふと、そこかしこで見ていた地元のスーパーが目に入った。
山梨で言えば「オギノ」と同じようなものだろう。
「マルナカ」。
地元の食材はどんなもんか、試しに寄ってみた。
まぁ、結論から言えば、他と変わらない印象。
ただ、「めんつゆ」というものは見当たらなかった気がする。
さすがだ。
中に入っていたパン屋の品揃えも、やはり見たことのあるものばかりだから、
多分ヤマザキ系列なのだろう。
この辺は仕方ない。
ここで、日本酒一本と地元らしいカップ麺を購入した。

レンタカー返却期限まで、あと一時間。
給油をすることも考えれば、ちょうどいいかもしれない。
「戻るか」
未練はある。制限がなければ、もっと滞在したい。
だが、短期間の旅だからこそ受ける刺激もある。
何日も滞在するようなら、これほど香川に執着心は沸かなかったかもしれない。
逆に、住んでみて分かることも多い。
良さも悪さも含めて、だ。
横浜から山梨に移り住んだ身だから、それは肌で感じている。
今回の思いだけで「香川に移住だ!」なんてわけにはいくまい。
いずれにせよ、縁があればまた来ることもあるだろう。
いや、もちろん来るつもりだ。
食い物で惹かれる土地は、北海道以来だ。

「I’ll be back!」

そう言って、相方と笑いながら空港へと向かった。


4日(木)   「さぬきうどん遍路2」

10月1日。
硬いベッドの上で起き上がる。
眠れたのかどうなのかよく分からないまま、身支度を整えて部屋を出る。
チェックアウトをして、車に乗り込んだ。
エンジンをかけるとナビが起動する。
「山越うどん」を検索し、目的地にセット。
昼時になれば外に行列ができるほどの人気店。
名物のかまたまは絶品と聞く。
相方は前回訪れており、その味が忘れられずにもう一度と意気込んでいるが、
私にとっては噂でしかなく、うまいといわれるさぬきうどんの内の一つに過ぎない。
思い入れに多少の温度差があった。
「いくよぉっ」
意気揚々とアクセルを踏む彼女に笑いながら、車窓からの景色を眺めていた。

「残り700メートル、目的地周辺です」
ナビが丁寧な音声案内をする。
やがて、駐車場を示す看板が見えてきた。
しかし、その駐車場で、予想だにしないものが待っていた。



「臨時休業いたします」
の文字。
・・・・・・。
日曜日が定休日だから、翌日一番で駆け込める位置に宿を取ったのに。
すべてを覆された瞬間。
しかし、予め断っているが、私にとっては、所詮「うまいといわれるさぬきうどんの内の一つ」でしかない。
だから、それもありかと笑える余裕がある。
ところが、相方は違う。
その落ち込みっぷりたるや、もう、筆舌に尽くしがたいものがあった。
私が声をかけなければ、この看板を写真に収めることすらなかったほど。
まぁ、悔やんでいても喚いていても店が開くわけではない。
すっぱりと割り切って次に行くことにしよう。
ナビには「小縣家」さんをセットし、後ろ髪を引かれつつ出発。

ちなみに、この近くには「ニュー・レオマワールド」なるアミューズメント施設がある。
「レジャーはオレに任せろ」の略で、「レオマ」らしい。
前日の春日鮨の大将曰く「大したことない」らしい。
もちろん、そんなところに寄る必要もないので、看板を見て笑いながら、「小縣家」を目指す。

「小縣家」に到着し、イヤでも目に付くのが「大根劇場」の看板。



ここはぶっかけうどんがメインなのだが、それよりもこの店を特徴付けているのが、
「客に大根をおろさせること」
である。



スピード感溢れる写真で申し訳ないが、分かるだろうか、この光景。
オーダーをすると、うどんが来る前に大根とおろし金を渡される。
それで、自分が必要な分をひたすらおろすのだ。
それを、すだちの乗せられたうどんに乗せ、しょうゆを回しがけて頂く。
・・・・・・う〜む、美味でおじゃる。
「山越」で空振りした我々の胃袋を、きちんと満たしてくれた。
丼と大根の比較はこちら。



食した後で申し訳ない。
小さい大根もあったが、とりあえずでかいものを渡すらしい。
では、小さくなったらどうするか。
この店のメニューには「大根丼」というものがある。
煮詰めた細切り大根を丼ご飯に載せて頂くもののようだ。
恐らくはそういったものに使われるのだろう。
「大根劇場」、恐るべし。

さて、「小縣家」は、数あるうどんの有名店の中でも、比較的南の方に位置する。
そして、さらに南には、本業は米屋なのにうどんで有名になってしまった店がある。
「谷川米穀店」。
ここまで来たならいっそいってしまおう、そんなノリで、ナビにセットした。

山間部を走り抜けて川沿いに出てきた。
ナビではもう間もなく到着するはず。橋の向こうだ。
しかし、それらしいものがまったく見えてこないまま、細い路地に入ってしまう。
ストップ。
ナビの矢印は離れ始めている。
引き返して店を探すが、細い山道を登り始めてしまい、やはり離れる。
見つからない。
とりあえず、駐車場らしいところがあったので、そこに車を入れて、
旅行誌の写真を頼りに、徒歩で探してみ・・・・・・あった!
あっさりと発見。
そして、衝撃が走る。



がーん!
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
そういえば、月曜が定休日だった。確かにその情報は知っていた。
分かっていたはずなのに。
なんだか笑えてきた。
気を取り直して自販機でドリンクを買っていると、地元のおばちゃんが声をかけてきた。
「うどん屋さん、休みなのに」
レンタカーを使ってこんなところに入り込んでくる輩は、うどん目的だと分かるようだ。
「ここにきてから思い出しました。あはは〜」
と言うしかない。
山越臨時休業のショックは、私にも少なからずあったようだ。

我々は、ここから一気に北上。
手近なところで済ますよりは、ガッツリと喰らいたい。
そんな思いから、「がもううどん」をチョイス。
今から行けば、完璧な昼時になる前には着くだろう。
運転を交代し、香川県の南の端から北の端まで走り抜ける。
途中、睡魔に軽く襲われつつも、国道11号線に出た。
見慣れた「au」「ローソン」の看板と「靴流通センター」にも似た看板を尻目に、
ナビの「目的地周辺です。音声案内を終了します」という言葉を聞く。
しかし、それらしいものが見当たらず、またもや現在位置が目的地から離れていく。
Uターンをかまし、最寄のはずのローソンで位置を確認。
歩いていけそうな距離なのだが・・・・・・。
車一台分しかない道に入っていくと、唐突に中古車展示場のような駐車場と人だかり。
発見!



誤解を恐れずに言えば、完全に工場、作業場の雰囲気。
地元客、観光客、昼休みのオジサマなどなどがずらっと列を成す。
我々の後ろにも、あっという間に列が出来上がっていく。



オートフォーカスが壊れている一眼で、片手にうどん、片手にカメラでピントを合わせながら撮影。
我ながらよく撮れたものだと感心する。



「がもう」の特徴は、なんといっても外で食べること。
中にも座席はあるのだが、店先にもベンチが置かれ、景色を眺めながらうどんが食べられる。
そんなところで食す、絶品のうどん。
いやぁ、うまいっ!

さてお次。
まだまだうまいといわれる店はある。
高松市街地の店にも気になるところはあるのだが、
いかんせん駐車場のないところが多い。
こういうときには、宿を駅前などにとり、レンタサイクルで回る方が賢いかもしれない。
ということで、すっぱりと市街地を捨て、その先に照準を合わせた。
目指すは「うどん本陣、山田家」。
どうでしょう班がさぬきうどんにはまるきっかけとなった店だ。

四国85番霊場八栗寺の傍、瀬戸内海にわずかに飛び出した半島の根元に「山田家」はある。
元酒造家の庄屋屋敷を利用し、文化財登録もされているという店舗。



門構えからして由緒の正しさを感じる。
駐車場も広く、いわゆる普通の食事処の雰囲気。
小さいながらも中には庭園もあり、うどんを食しながら、ゆったりとした気分が味わえる。
縁側に座って月でも見上げたら、さぞ気持ちよかろう。
電線さえ見えなければ、だが。



相方はてんぷらうどん。私はぶっかけうどん。
ここまで来ると、他店との食べ比べも慣れてくる。
そうすると、製麺所のうどんの鮮烈さと、レストランの違いに気づくようになる。
多分そういうことだと思う。
舌が麻痺しているのかもしれない。疲れかもしれない。
少々期待外れ。
ここを訪れるのなら、早い段階の方がいいのかもしれない。
そんな気がした。

そろそろ腹も膨れて、さすがに次はどこへとはお互いに言い出さない。
「どうしようか・・・・・・」
と目的地を探す。
と、海なし県民である相方が、「海が見たい」と言い出した。
確かに目の前だ。
しかし、私は海あり県出身者。幼い頃は逗子で育った身。
そんなに思い入れもないので、どうしようかと思いながらハンドルを握った。
「山田家」のある半島の、隣に小さく突き出た半島。
屋島ドライブウェイの文字。
なにも言わずにそちらに車を向ける。
こういうところの雰囲気は、どこも似通ってくるのだろうか。
なんとなく三浦や葉山の辺りの空気を感じながら、木々に囲まれた道を走る。
やがて、木々の隙間から瀬戸内の海が見え始めた。
しかし、完全に開ける場所がない。
そのうちに突端を過ぎ、本島に戻り始めた。道も下っていく。
見えないまま本島に着いてしまうのは、やはり悲しい。
どこか少しでも海の見えるところがあればと、若干スピードを落として進んでいくと、
バスの停留所らしきところの奥に、駐車場とコンクリートの堤防のようなものがあった。
すかさず車をそちらに向けた。





観光用の連絡船だろうか。
トビやアオサギなどの姿も眺めながら、しばしのんびり。

今夜の宿は坂出。瀬戸大橋の根元である。
今いるところよりも、今朝までいた琴平の方が近い。
距離は結構あるのだ。
しかし、時間もまだある。
で、向かったのが「宮脇書店」。
工業地域の中にぽつんと立つ大型書店だ。
紀伊国屋のようなものだといえば分かるかもしれない。
しかし、この店を特徴付けているのは、なんといってもこれ。



屋上に立つ観覧車。
しかも各ゴンドラに、出版社の名前が書かれている。
なにが目的かは分からないが、なかなかの発想だ。
ちなみに、本を見て歩いただけで、観覧車には乗っていないのであしからず。

後はここから一気に坂出まで。
さすがに車の交通量も多く、マナーの悪い連中も多かったが、
とりあえずトラブルもなく宿に到着。
小腹は空いたものの店を探す気力もなく、ホテルのレストランで定食をオーダー。
・・・あら、おいしい。
米が食いたくなって日替わり定食にしたのだが、
おかずのアジフライ、身が厚くて結構いける。
衣の着き方で冷凍だろうとタカをくくっていた我々に、カウンターパンチをくれた。

これで2日目の終了。
早いものだ。
明日には帰らなければならないと思うと、とにかく気が重い。
いっそこちらに移住するかなどと言いながら床についた。


3日(水)   「さぬきうどん遍路1」

9月30日、午前2時50分。
なにか遠くで音が聞こえるような気がして目を開けると、
暗闇。
鳴っていたのは携帯のアラーム。
・・・・・・ああ、そうか。
早朝の高速バスに乗るため、仮眠を取ったことを思い出した。
前日がハードだったため、睡眠不足ではあるものの、
ここで二度寝をしたら意味がない。
てゆーか、まず起きられない。そもそも、寝たらもう間に合わない。
もそもそと起き出した相方とともに最後の支度を終えて、アパートを飛び出した。

竜王駅前より山梨交通の高速バスで、一路羽田空港へ。
ベースがあくまでも路線バスのため、
ここで稼ごうと思っていた睡眠も、姿勢が悪くて取れない。
2度目に起きたときには、首の痛みが増していた。
眠れない目をこすりながら顔を向けると、
窓の外にはお台場の景色。
我ながら田舎者だと苦笑いしながら、丸い展望室を眺めていた。

羽田空港に到着した我々を待っていたのは、
「霧のため高松空港には着陸できないかもしれない」
というニュースだった。
場合によっては徳島空港か伊丹空港へ着陸するという。
徳島や伊丹の空港からの交通費はJALが負担するというからいいとしても、
面倒なことには変わりない。
とはいえ、なるようにしかならないことにはジタバタしないのが私の特徴。
(長所とは言わないでおく)
静かに出発を待つことにした。

通常運賃+1000円で利用できる「クラスJ」。
1000円差とは思えないほど快適なシートに身をゆだね、
離陸前なのでリクライニングできない状態なのに、早くもウトウトし始める私。
気がつけば、20分ほど遅れた離陸を始めるところだった。
離陸の順番待ちということだったが、それがないようにダイヤを決めているはず。
天候を見ながらタイミングを計っていたのだろう。
グルグルと滑走路を回りながら離陸準備を進めている。
やがて、それまで低かったエンジンの音が甲高く響いた。
同時に、暴力的なほどのGが体にかかる。
エンジンはグイグイと機体を引っ張り上げ、
飛行機は無事に羽田を飛び立った。

霧もおさまって、高松空港は弱い雨に包まれていた。
1時間のフライトで大して眠れなかったものの、
見知らぬ土地に来たという感動が、眠気を飛ばしていた。
レンタカーの手続きをし、まずは相方がハンドルを握る。
サイズこそ愛車と同じだとはいえ、車は違うし、なにより借りられたのはATだった。
ミッションの違いに戸惑い、思わずクラッチを踏もうとして笑ってしまう相方。
左手や左足に仕事がなく、かえってダルいようだ。
私ももちろん運転をする。
ATには慣れているから、運転自体には問題はないのだが、
職場の車はシフトレバーがコラム式の位置で、なおかつパーキングブレーキがペダル式。
ブレーキを解除しようとして床を踏みつけたり、
シフトを変えようとしてワイパー近くを空振りしたり。
習慣とは恐ろしいものだ。

ところで、さぬきうどんを食べさせてくれる店舗には、いくつかの種類がある。
一つは通常のレストランのようにオーダーを取りに来て、料理も運んでくれるところ。
一つはセルフタイプで、
オーダーをしてどんぶりに麺を受け取り、天ぷらなどのトッピングを自分で取るもの。
もう一つは、完全に製麺所であるところ。システムはセルフとほぼ同じ。
そして、得てして3番目のタイプにうまい店がある。
そりゃそうだ。
製麺所なのだから、その店から仕入れたうどん屋があるはずだし、
本来ならそちらで食べればいいものを、
あえて、打ちたて、ゆでたてで食らいたいほどなのだから、うまくて当然。
そして、そういうところに日曜日が定休というところが多い。
30日は日曜日。
初日からのうどんのはしごは難しいと判断していたため、
とりあえず向かうところを決めていた。
香川県の北西部。
めざすは鳥坂(とっさか)まんじゅう。





『どうでしょう本2』に書かれており、是非とも! と思っていたまんじゅう。
出来立てほかほかのところをいただく。
・・・・・・うまい。
いや、本当にうまい!
このうまさを看板だけで感じていた魔神恐るべし。
17個入り500円を購入し、車の中ですでに4個食べてしまった。
これからうどんだというのに。
でも、うまい。
ほんのり酒の香りのする、しっかりとした皮に、塩気さえ感じるほど甘みを抑えたあん。
この組み合わせが絶妙。
日持ちはしないのでお土産にはできない。
残念でもあるが、これは現地で食べるものだ。
いや、是非とも食べてほしい。
無駄に甘いだけのお土産とは一線を画す、本当に旨い和菓子。
まんじゅうで勢いをつけて、うどん遍路スタート。

香川の洗礼を受けた我々が一軒目に選んだのは、
「和食処 根っ子」
日曜日に営業していて、鳥坂まんじゅうから近いというだけで決めた店。



昼時だったのは確かだが、なかなかの混雑。
そんななかでうどんを食す。



さぬきうどん独特の、噛んだ歯を押し返してくるようなこし。
透き通ったいりこだし。
たまたま入った店で、完璧にやられた我々。
うまい!
さぁ、次だ!

さうきうどん独特のメニューとして、「ひやあつ」「あつあつ」などという言い方がある。
その発祥となったのが「宮武うどん」。



店内大混雑のため、ブツを写真に収めることができず、
残念ながら店構えだけ。
完全に民家。
中は大混雑。狭い中でぎゅうぎゅう詰め。
外のベンチに座って呼ばれるのを待ち、スタッフの声で中に入る。
我々が立ったあとのベンチはあっという間に埋まる。
その繰り返し。
入り口付近に数種類のてんぷらが置かれており、
客は事前に好みのてんぷらを皿にとっておく。
オーダーはカウンターに置かれたメモに書く。
あとは空いている席につき、とにかく待つだけ。
しばらく待てば、スタッフが名前を呼んで持ってきてくれる。
「根っ子」のうどんは関東で食べるようなものに近い丸みを帯びた麺だったのに対し、
「宮武」は角が立ち、男っぽい印象。
だしの味もやはり違う。
しかし、出てくる言葉はこれ。
うまい!

車は一路南下。
映画『UDON』に出たうどん屋。
「やまうちうどん」。
山の中にあるから『やまうち』というわけではないとは思うのだが、
こんぴらさんのはるか南の山の中、側道をグイッと上がると現れる。



中はテーブル席と座敷。多少ゆったりとした造りでほっとする。
カウンターに並ぶと、「なんにする?」とおばちゃんが声をかけてくる。
かけうどんをオーダー。
てんぷらは目の前で取り、合わせて精算。
座敷に上がって「いただきま〜す」。
どの店でも思うことだが、とにかくてんぷらがでかい。



私のかけうどんの向こうに、相方のゲソ天。
なんとなく大きさが分かるだろうか。
麺は「宮武」を髣髴させながらも、少し優しい印象。
おだしも少し丸い。
美味っ!
後で聞くところによると、「宮武」の流れのお店らしい。
納得。

さて、さぬきうどんには、かけの他に、ぶっかけというものがある。
うどんを受け取り、そこに生醤油をかけるものだ。
かけうどんで満足したはずの舌が、もっと食わせろと指令を出す。
で、おかわり。



本日4杯目にして初めてのぶっかけ。
本当にしょうゆを回しかけただけ。
これがうまい。
ご満悦!

この日の宿は琴平。
こんぴらさんのすぐ傍にした。
こんぴらさん参りではなく、翌日のうどん屋に備えてのこと。
ナビで目的地をセットし、出発。

四国の山は、本州、特に関東や信州辺りの景色を見慣れている者にとっては、
ずいぶんと奇異な印象を与えてくれる。
まず高い山がない。
それに山脈もない。
お椀を逆さまにしたような山、小さな富士山のような山、そんなものが田畑の向こうにぽつんとある。
北海道の景色に似ているかもしれない。

琴平の町に入るといきなり道が狭くなり、車や人が多くなる。
宿を探していると、ウチの駐車場に止めろと言わんばかりの人もいる。
そこをすり抜けてビジネスホテルへ。
相方は寝不足とうどん遍路でくたびれたらしく、
部屋に入るとそのままダウン。
私は琴平の街に用があったので、カメラを持って外に出た。
うろうろと歩きながら、二つある琴平駅を眺め、昭和の街並みにひたる。
かつての商店街がすぐ裏にあり、なにかほっとする。
・・・・・・ない。
見当たらない。
琴平にある造り酒屋、「凱陣」。
ここの酒が滅法うまいと聞き、是非ともと思って歩き回っているのだが、全然見つからない。
当たりをつけたところには普通の酒屋。
どう巡っても見つからず、結局「凱陣入荷」と張り紙のあったその酒屋に入る。
・・・・・・ない。
いや、あるにはある。しかし、本醸造と大吟醸だけ。
純米がない。
がっかりしているところに、相方が活動を再開したと連絡をしてきた。
街の中で合流をしようと話をして電話を切る。
そこへ、店のおばさんが声をかけてきてくれた。
こちらの探し物を伝えると、「悦凱陣(よろこびがいじん)」の純米はすでにないという。
だが。
純米大吟醸ならあるけれど数が少ないから外には出していない。それでよければと言ってくれる。
ありがたや!
混ぜ物のされた酒はうまくてもいらない。日本酒の大半はアルコールの添加されたもの。
中には添加物で3倍くらいに薄めたものもある。
というよりも、それが普通。そんなものはいらないのだ。
ありがたく酒を頂き、ついでにとここまで来た経緯を話すと、
遠いところから来たようだからと、醸造元の場所を教えてくれた。
思わず大きく頭を下げて、店を出た。
相方と合流し、街中をぶらつきながら「凱陣」へ。
ここにも純米はなかったけれど、それを自分で確認できたからよし。
薄暗くなってきた琴平の街。
ほんわかしながら、ホテルへ戻った。

今回の旅は、うどん屋のはしご。
うどんを食いまくって宿に入るのだから、夕食はとれない。
また朝食を食べたらうどんが入らない。
なので、素泊まりで宿を取った。
しかし、軽く腹は減る。
なにより、うどんしか食べていない。
せっかく四国にいるのだから、瀬戸内のものもいきたい。
ホテル(といっても、ワンルームマンションをホテルにしているだけの建物)の中に、すし屋の案内を発見。
ホテルに置いてあるものというところであまり期待はしない。
なんとなくそういう雰囲気がある。
だが、実際にいってみて驚いた。
うまい!
価格も驚くほどではなく(時価というものもあったけれど)、この価格でこの味がと、そのことにびっくり。
寝不足に歩き疲れて言葉少なだった相方も、すっかり快復した。
これだけうまいのに、客がいないことが不思議だと思っていたら、
大将から、20時を過ぎたら客足はぴたっとやむということ、
香川人は、外食にあまり金をかけないということなどを聞いた。
それに、翌日がこんぴらさんの氏子祭りだということもあり、
人がそちらに出ているので、客がいなくて当然だった。
祭りの仕出しも、簡単な弁当などで済ますことが多いらしい。
すし屋の出番が来るのは、祭りの打ち上げのときだとか。
すっかり世間話までしてしまった。
2時間滞在し、我々の貸切だったのだから、贅沢な時間だ。
「悦凱陣」も置いていた。昔から付き合いがあり、必ず置いているらしい。
ありがたく頂いた。
美味!
琴平の「春日鮨」。
是非ともまた伺いたい。

パンパンに膨れた腹をさすりながら、ボリュームたっぷりの初日が終了した。
明日は、キング・オブ・さぬきうどん「山越」からスタートだ。


2日(火)   「戻って参りました」

いやぁ〜・・・・・・べふっ。
食った食った。本当に食った。
まさに食い倒れの旅をして参りました。
おいしかったよ〜ん。

30日からの4日間。
予告通り、初日は実家。法事で帰省。
4ヶ月の甥っ子と遊んで参りました。
いやいや、他所のガキの泣き声は腹が立つけれど、
ウチのコだと、泣いていても眠れるからフシギ(笑)。
ま、ウチのコったって自分のじゃありませんから他人事ですけどね。
妹は息子の一挙手一投足がツボらしくて、しきりに
「かわいいんだから〜!」
とやっておりました。
愛情いっぱい受けて育ってくれそうです。

で、30日からの3日間ですが、
実は、相方を伴い、香川県にいって参りました。
お遍路じゃありません。
「うどん食い倒れの旅」
でございます。
もち、さぬきうどんでございます。

かつて、高校の修学旅行で香川県丸亀に訪れた際に、
駅舎のうどん屋で食したのが初めてであり、唯一のさぬきうどんでした。
それ以来、特に何事もなく過ぎていたのですが、
『水曜どうでしょう』なる番組の連中がさぬきうどんを絶賛、
「どうでしょう本2」ではさぬきうどん屋を巡ったりなんかして。
挙句の果てに、相方もお袋様と出かけ、さぬきうどんにずっぽしハマって帰ってきて。
んで、今回の季節休にどこへ行こうということになり、
最初は北海道や石川県(加賀屋)、鳥取なども候補に上がっていたのですが、
最終的に、「四国うどんめぐり」に決まったのでした。

本編は明日以降ということで。
本日はココまで。

Coming Soon!