2018年5月

6日(日) 「酷道152号線」

ゴロゴロウィーク(GW)も最終日。
どこに行っても混んでいますし、お金がかかりますし、
家の片づけを主にゴロゴロとしていた連休でしたが、
昨日はちょっとドライブに。
そして、今日はお勉強に出かけました。

8時頃に出発し、小淵沢から鉢巻道路を経由して国道20号線へ。
茅野から国道152号線で、高遠を抜けていきます。
桜の名所である高遠城址の足元をすり抜けて、秋葉街道へ。

行先は、日本列島を大きく分断する中央構造線の資料を展示する博物館。
中央構造線とは、かいつまんで言えば、ながーい断層。
九州・四国から関東まで伸びる断層です。
このところ、土猛者、石猛者っぷりに拍車がかかっている嫁さんなので、
ワクワクしっぱなしです。

国道152号線。
南アルプスの西側を這うように走る、結構な道とは分かっていましたが、
それにしても・・・・・・すげぇ。
細い、くねる、路面が荒いの三拍子。
すれ違えないって。
川に沿って走る山肌の道です。
こういう道には慣れていますが、
さすがに延々と続かれると・・・・・・心が折れそう(苦笑)。

途中「ゼロ磁場」で有名になったパワースポットの分杭峠があり、
そこに向かうためのシャトルバス乗り場がありました。
開けた場所ではないため、現地を含め周辺では車が止められません。
なので、こういう措置をとっているようです。

おぉ、結構行く人がいるなぁ。

「気」を少々感じる者として、若干興味はありますが、
それって根拠があるのか? という疑問はあります。
地質の異なる地層がぶつかるから地球のエネルギーが凝縮される。
なんで?
極端に言えば、花崗岩と安山岩がぶつかれば、特殊なエネルギーが生じるってこと?
因果関係が、どうにもよく分からん。

二つの異なる磁場がぶつかるから、干渉し合い、磁場がなくなる。
波が干渉して、大きくなったり小さくなったりはあるわけですから、
まぁ、これは、あるかも。
しかし、だから、大きな力が生まれるというのは、
こう言ってはなんですが、胡散臭い。
磁界の向きが干渉し合って「ゼロ」になるんだそうです。
ゼロってことは、それはなににも計測されない「ゼロ」。
なにもないから「ゼロ」なんです。
磁場がゼロというだけで、それ以外のものはあるかもしれません。
電磁波が人体に影響を与えるということは、実際にあるようです。
磁力が好影響をというのは、まぁ、磁気を使った健康器具がありますからね。
そういうものでしょう。
ただ・・・・・・ね。
磁場がゼロだからパワーがあるというのは、ちょっと・・・・・・。

「ここは気持ちのいい場所だね」
ということであれば、そういうこともあります。
自分でも、その感覚はありますし、逆にダメなところは本当にダメですから。
パワースポットの存在は否定しません。
自分がいいなと思う場所はありますからね。
でも、それは万人に伝わるものではありません。
一番身近な人である嫁さんがキョトンとするわけですから(苦笑)。

「気」って、目に見えるものではありませんし、
誰にでも分かるものでもない。
明確な根拠のあるものではありませんから、説明もできませんし。
そういう意味では、いずれにせよ胡散臭いものではあります。
結局、自分がどう感じるかだけですから。
だからこそ、こう、声高に言われると、どうにも胡散臭いなぁと。

まぁ、そもそも、今のパワースポットは、
ただの観光地ですから。
てゆーか、ただの観光地を、こじつけでパワースポットと称しているのが大半ですから。
それに、ね。
雑多に人が集まる以上、気は乱れますので、
そういう意味で、さほどご利益もないかと。
大きすぎても、ダメなんです。
自分に合うかどうかなので。

気を取り直して。
うねうねと走り、分杭峠を通過。
伊那市から大鹿村に入ります。

さぁ、まだまだだぞ。

少し走りましたら、露頭の看板が現れました。

露頭とは、岩石や鉱脈の一部が地表に現れた場所のこと。
ここは中央構造線の一部が見られるということで、
急遽駐車場へ。

 

隅にあるトイレは最近作られたようです。
キレイでした。
カマドウマが一匹いましたけども、こういう場所だから、それくらいは仕方ないですね。

駐車場から、看板に誘導をされて川沿いに歩いていきますと、
間もなく現場に。

 

あからさまに色が違います。
地質の違いが明確で、嫁さんのテンション・ヒートアップ。
あちこちに、いい色の石がゴロゴロしているので、手には取りますが、
また戻します。
このエリアが天然記念物に指定されているんですよ。
持っていくと、罰せられるみたいですからね。

残念ですが。

ひとしきり楽しんだら、また出発。
ひたすらに、あぁひたすらに、曲がりくねる林道・・・・・・もとい、国道を走ります。
本当にこの道でいいのかと不安になりながら、
けれど、分岐はないので、この道しかないのは確かで。
理屈と感覚のせめぎあいの中、対向車を気にしつつのドライブ。
道幅は広くなったり狭くなったりの繰り返しです。

ある程度の道になり、民家や畑などを通り過ぎて、
ようやく、本当にようやく、目印となる役場が出てきました。
ここを左折して、少し行くと・・・・・・。

おぉ、山の斜面が露出しとる!

 

地質の違いがよく分かりますなぁ。

その足元に、目的地となる博物館があるのですが、
誘導路が分かりづらい!
もう少し広くしないと、ちょっと厳しいですよ。
誘導路から駐車場に入るところにも大きな穴があり、
車が「ガコっ」ていうし。

さて、前庭には、その名に恥じない展示。
石がずらりと並んでいます。

 

大鹿村の地質は4つに分かれていて、
それぞれの場所から採取された石を、エリアごとに並べているわけですね。
力作といっていいでしょう。
そして、その石一つ一つをかと思えるほど細かく撮影している嫁さん。

をいをい、そこまで石猛者だったかいな?

それにしても、まぁ、いろいろな石が出てきているものです。
それを見ているだけでも、結構なボリューム。
中に入る前に、腹六分目(苦笑)。

いよいよ中へ入ります。

受付を挟み、資料室兼研究室のような部屋と、デッドスペースを使った展示コーナー。
その脇に、ホワイエというには狭い場所での多目的スペース。
奥とその2階に展示室といった感じ。
展示室は見事でしたよ。
資料の量は豊富だと思います。
ただ、博物館かといわれると、
その資料に対する説明などの充実度が、いまいちでしたけど。
見せ方次第でしょうか。
手作り部分があるのはいいんです。
むしろ、その方が逐次更新されている感じがして、好感が持てます。
ただ、見せつつも端折るといいますか、
ポイントの押さえ方が、少々物足りないかなと。
石だけを見るなら、これだけのものがあるのでいいんですけど、
展示説明は、もっと頑張れそうな気がしましたね。

 

博物館の裏手には、大鹿村の郷土資料館があります。
博物館と入場券が共用なので、そちらも見学することに。
林業や農業の資料の他、
大鹿村には、江戸時代には定着していたという歌舞伎があり、
その資料、衣装などが展示されていました。
思いのほか面白かったです。

さて、そろそろおなかが空いてきました。
今日は嫁さん、朝から張り切ってお弁当を作ってきているので、
(近隣に食事をできるところがなさそうだったからともいいますが)
どこか場所を探しましょう。
高台とか、川沿いとか、地層や露頭が見られるところがいいねぇ。
来た道を戻りつつ周りに目をやっていると、
そぐそこに「夕立神パノラマ公園」という文字がありました。
パノラマというからには景色がいいのだろうと、そちらに車を向けて、
予想外に細い坂道を登っていきました。

さっきの国道と、あまり変わらないんだけど。

途中、ひらがなで書かれたナントカらんどみたいな看板がありましたが、
雑木林にしか見えませんでした。
また、その先には、牧場というには小さな敷地で牛を飼っているところもありました。
なんちゃらファミリーリゾートという、ロッジかコテージか、そんなものが点在する・・・、
しているのか?
そんな感じの場所もありました。
しかしまぁ、いけどもいけども、それらしい場所にも出ず、
看板や表示もないわけですよ。
相当登ってきているので、開けると確かに景色はいいんですけどね。

やがて、対向車が来て、分岐点が現れました。
そこに看板を見つけてホッとしたのですが、
「夕立神パノラマ公園 8km」の文字。

「引き返しましょう!」

さすがに遠いわ!

Uターンして進んだ先で、道の脇に少し広めのスペースを発見。
木が邪魔ですが、もうここでいいや。
道向かいの視線の上には民家がありますが・・・・・・。

車を止めてリアハッチを開け、椅子を出して、
カーゴルームをテーブルにして昼ご飯。
久しぶりのおそと飯です。
気持ちのいいもんです。

先ほどのおうちに、人の動く気配があります。
すんません、不審者がいます(苦笑)。

ここにも、いい感じの石がゴロゴロ。
ここは、いいよね、拾っても。

さ、おなかも落ち着きましたので、もうちょっといきましょうか。

山を下りて国道に出ましたら、博物館の前を通って、さらに南下。
もう一つの露頭を目指します。

 

駐車場らしきものがないので、路肩に車を置きまして、
川辺に降りていきました。

 

なんでこうなっているんだろうかと思うほど、明確に色が違います。
灰でもこぼしたんじゃないかと思うくらいです。
ここもまた、いろんな石が落ちていましたね。
それを見ているだけで楽しいです。

あれ、俺、感化されてる・・・・・・?

さぁさぁ、じゃあそろそろ戻りましょうか。

来た道をひたすら引き返していきます。
途中、直売所のようなところで軽くお買い物。
駐車場も含めて改装中だったようで、
さほど見るべきものはなかったのですが、
嫁さんがブルーベリーを買いました。

さらに戻ってきまして、分杭峠に差し掛かりました。
その先のシャトルバス乗り場を過ぎたところで、
せっかく来たんだから、一度くらい行っておこうかという嫁さんのお言葉で、Uターン。
駐車場に入って車を止めたのですが。

おじさんが寄ってきました。
今日は終わりなんだそうです。

そこのボードにある終業時刻までは、もうちょっとありますが、
きっと、バスが戻ってきて、お客がいなくなって終了という、その時刻なのでしょう。
まぁまぁ、そこまで残念でもありません。

分杭峠から北上をすると、川をせき止めた人造湖があります。
そこに、見つけてしまいました、「中央構造線公園」という文字を。
嫁さんは気づかなかったようでしたが、
知ってしまったからには、もう行っておかないと。

車を降りて案内看板を見ますと、露頭があるようです。

 

が、そこに降りていく階段のところに、
工事現場によくあるバリケード(ウマ)が置いてあります。
てことは、普通に考えれば通行禁止。
なぜダメなのかが分かりません。
看板の黄色い部分が公園の周縁部。
この突端にモニュメントがありますが、
露頭はその下。
上からでは見えません。
そうしたら、嫁さん、業を煮やしてウマを超えていきました。
をいをい。

緩やかな階段を下りていきますと、そのまま湖岸に出ます。
打ち寄せられたごみや流木がたまっていますね。
で、ぐるっと回りこんだところが露頭なのですが、
おっと、先客がおりました。
そういえば、駐車場に、もう一台車がいました。
場所が狭いため、その方たちが立ち去ってから、一応見学。

 

見事な露頭です。
で、なぜここがウマで遮られていたのかもわかりました。

 

湖面の水位が上がった理由は分かりませんが、
見学場所となるところが水没したんですね。
で、それをどうにかすることができないため、
立ち入り禁止と。

・・・・・・いいのか、それで。

なんか、後半になるにつれて、結果がしょぼいな。

仕方ない。
気を引き締めて帰りましょう。
先は長いぞ。