2019年12月
29日(日) 「さんざんな仕事納め」     

金曜日が仕事納め。
当然、これをもって年内の業務が終了なわけですが。

なぜか、土曜日である昨日も出社。

とある市の成人式の話ですが、新成人が実行委員になって、まぁ、いろいろ式の準備をするわけです。
今回で10年くらい続いているそうです。
その中で、3年前から、小冊子を作るようになったんですね。
地元のお店を紹介して、クーポンをつけて、
若い連中に使ってもらえるようにしようや、そんな感じのものです。

地域おこしの一環、ってやつですね。

で、その協力隊やらなんやらの協力もあり、
本が作られていたんです。
昨年までは。

どこぞの店で、その主人から、うちのスタッフが相談を持ち掛けられたと。
どうやら、その冊子の制作がとんでもないことになっていると。
で、話を聞いたらしいんですね。
そしたら、今年は予算がないと。

なんのことやら、ですよ。

昨年度は、数十万円をかけて作ったらしいです。
でも、今年は、ない。
どうやら、その制作費を計上する予算が、
昨年度は、実行委員ではなく、協力をしていた人間についていたらしいです。
で、その人間が現場を離れることになったため、
その予算項目がなくなってしまい、
冊子制作の予算が計上されていませんでした、と。

だったら、事業として「作る」ということがなくなっているわけですから、
作らなければいいわけですが、
なぜだか、行政の方から、「お金ないけど作る?」みたいな話になったらしく。

なんでよ?!

と思いますが、慣例に従って、どうするか尋ねたんでしょうね。
実行委員の方も、お金がないならと断ればよかったんですが、
(やる気があっても、金がなければやりようがありませんから)
なぜか作ることに。

作る方向で追い込まれたんじゃないかなーと勘ぐってしまいます。

ただ、行政はなにもしません。
成人式関連でちょっとだけ余った予算を回すことができるということだったようですが、
その金額は教えてくれない。
なにかするという段階で、それができるかどうかのジャッジはすると。

いや、それじゃ、なにもできませんよねぇ?!

スレた大人ならそう思いますが、そこは純真な新成人たち。
とりあえずやろう、と意気込んでしまったようで。

A5、フルカラー、32Pの小冊子。
それを、なんの経験もない子たちが作り始めてしまいました。

新成人がメンバーとなる委員会ですから、
先輩からの引継ぎはありません。
経験者はいません。
で、昨年携わったであろう大人たちですが、
「彼らは忙しいから手を煩わせないように」
と、担当者からストップをかけられたとか。

そこは、「積極的には関与できないよ」とか、そんな感じで、
多分ニュアンスが違ったんじゃないかと思うのですが、
若人たちには、「誰も頼れる人がいない」という状況に追い込まれまして。

だから、どうしていいか分からないまま、
スタートラインでまごまごしている余裕もなく、
ピストルが鳴ったようなもんで。

本づくりには金がかかります。
印刷、製本ですから、当たり前です。
で、そこはなけなしの予算を回して、
担当者が印刷をすると。
ただし、A5の誌面をA3の用紙に表裏で8ページ分だと。
それを32ページ分だから、4枚。
印刷できたら、実行委員が裁断して、製本すると。
でも、それを綴じるための器具なんてありませんから、
半分で分けて製本をするという結論を出したそうです。

A5で謎の上下巻!
さすがにカッコ悪いだろう。

そんな話が弊社に飛び込んできたのが、24日頃でしたか。
上下巻はカッコ悪いから、きちんと本にするための見積もりをという話で。
入稿は26日、年明けの9日には本として手元にほしいということで。

ん? 数十万円?
なにをしたらそんなにかかるんだろう。
ネット印刷で見まわしても、かかって十数万。
データ制作、取材、そのあたりを含めてってことかいな。
それにしても、ぼったくりな気もするけれど。

ということで、関わることになりました。
まぁ、データは実行委員が作りますから、
手伝うのは印刷所に入稿するだけの簡単なお仕事。

・・・・・・なわけないですね。

だって、ずぶの素人が作るデータなわけで、
印刷に耐えうるものになっているかどうかも分かりません。
そのチェックが必要なわけです。

まじかよー、と思いつつ、まぁ、仕方ないです。
社長命令ですから。

んで、データを待つわけですが、上がってきません。
なかなか上がってきません。
1日過ぎ、2日過ぎ。
当初の入稿予定日に、初めて仮のデータが届きました。

・・・・・・って、この拡張子、なに?

見たことのないファイル形式。
調べてみると、デザイン系のソフトではある。
そうやら、Win、Macのほかスマホでも稼働するソフトのようで。

え、もしかして、データ制作はスマホで?

いやーな予感がします。

で、体験版を落としてインストール。
渡された原稿データを開いてみましたが・・・・・・。

画像?
編集できる状態じゃありません。
オブジェクトで配置されているのかと思いきや、
完全に一枚の絵です。
しかも、画質が粗い。
読めないほどではありませんが、これはちょっと。

それに、このファイルじゃ入稿はできません。
最善はai、でなければpsd、pdf、最悪jpgで貼る。
しかし、体験版では保存ができない。
ファイルを変換することもできません。
先方に変えてもらうしかないのですが・・・・・・。

前途多難だぞ。

地図はaiです。
使える人がいるそうですが・・・・・・、え、どこの地図?
あるべき道がなく、つながりが見えない。

おいおい、こっちもかい。

結局、当初の入稿予定日は過ぎました。
そして弊社仕事納めの日。
待てど暮らせど、やはりデータは届かず、
やっとやってきたのは日が傾いてきた夕方過ぎ。

続々と届くデータを手分けして見ていきますが、
言葉の切り方、使い方の間違い、誤字など、
ほとんど直し。
地図も修正指示を出しつつ。

あまりにもダメダメです。
いや、相手は素人ですよ。
ですけど、やろうと思ったのなら、少しはまともにやってくれよと。
少なくとも、既存の地図をトレースすれば作れる地図で間違えているのはダメでしょう。

この日も結局、出した修正指示が反映されたデータはやってこず。

仕事納めでしたが・・・・・・明日もやらんとダメだよねぇ。

PCを持ち帰るかとも考えましたが、
印刷しないと分からないこともあります。
なので、諦めて、仕事納め延長。

土曜日。
14時ころに出社しようと思っていたら、
昼過ぎに、社内チャットにデータ確認の連絡が。
なので、このタイミングで出社。

会社についてデータ確認。
変換してもらったpsdデータでしたが、
最初のものに比べて、余白がえらく大きい。
これじゃあダメだと、修正を指示。

少しして、窓口になっているスタッフも出てきました。

二人してちまちま届くデータを確認しつつ、
製本に向けての準備を進めます。
それにしても、ページの構成はどうするんだろう。
ページのレイアウトを決めた台割は・・・・・・ないよね?
そんなものの存在さえ知らないよね、きっと。

とりあえず、作ってしまおう。
表紙、表4、店舗のページと地図のページ、あとがきほかのページを、
こんなもんだろうという感じで並べていきます。
それも彼らに渡して、修正されたものも確認。
だんだん、これでいいでしょうというものが増えてきました。
校了データを送ってもらいましょう。
これで作業が一気に進むはずです。

・・・・・・お、きた。
って、いや、この解像度はなに?
読めなくは・・・・・・ない。
けれど、本でこれはあり得ない。
すぐに解像度を上げてもらうよう指示を出します。

なんで?
最初は、多少粗くても読めたのに。

しかし、どうやっても、読めるものが届かない。
とはいえ、こちらでもどうにもなりません。

体験版でユーザー登録をして全機能を使えるようにしましたが、
これで作ると、フォトショと同じように読めるようになりますし、
きちんとオブジェクトで管理されるので、
一枚絵にはなりません。

となると、考えられるのは、なにかで作ったデータを画像データにし、
それを、このソフトで読み込んでいるということ。
出力を画像にしてしまっていることも考えられますが、
とにかく、ソフトのことが分かりませんし、
遠隔で行われているので、詳細がつかめません。

もう一人が先方に連絡し、どうにかならないかと伝えると、
もう、心折れているのが分かります。
「そのままでいかせてほしいそうです」
と苦笑い。

いや、我々が関わっていないのならそれでも構いませんが、
これで出したら、絶対に黒歴史です。
実行委員にとっても我々にとっても。
だから、本当にこれでもいいか、実際に目で見てほしいと。
可能ならここにきてほしいとお願いをしました。

さて、解像度を上げる方法を探さないと。
メニューから解像度を変更ができるのか、
それとも、新規ファイルを高い解像度で用意して作り直してもらうのか。
最悪、こちらですべて作り直すことも覚悟をしました。

やがて20時を過ぎた頃、若者が事務所にやってきました。
送られてきたデータで印刷したものを見てもらいます。
苦い顔で頷きました。

こちらの言っていたことが分かってもらえたようです。

と、メッセージが。
え? きれいにできたみたい?

送ってもらったデータを開いたら・・・・・・お!

いいじゃんいいじゃん!
これならなんとかなるよ!

逐一送ってもらいながらページに貼っていきます。
そして、せっかくなので、来ていた実行委員に貼れたものを確認してもらいます。

正直、直したいところもありますが、
彼らが納得して送ってきたものですし、
ここは飲み込んでしまいましょう。

すべて貼り終えて、確認をしてOKが出たところで、入稿です。
作業終了は24時。
結局1日仕事になりました。

一日遅れの仕事納めでした。


6日(金) 「46」     

四国日記にてこずり、書くのが遅れましたが、
いよいよ46です。
もう46年生きているのかと思うと、感慨深いですな。